2025年10月号(vol36)

「西東京市視覚障害者協会からのお知らせ(通巻36 2025年10月号 」をお送りします。

■日中の外出や、あれこれと用事をしていたら、「秋の日のつるべ落とし」との言葉通り、お陽様が西の山並みに隠れてしまう季節となりました。
「スポーツの秋」、「読書の秋」、「馬肥ゆる秋」などなど、秋を愛でる言葉が並び、体を動かすのも、頭を働かすのも、そして、美味しいものがあふれ出て、舌を肥やすのに良い季節ですネ! 
但し、「体重計の目盛りが増えるのには、気を付けないと」と思ったりしています。
そうして、日中にしっかりと活動した夜には、早々にぐっすりと寝ることができるし、ゆったりと過ごした日には、サピエや図書館から借りた朗読図書を聴きながら夜更かしをしてしまうこともある昨今の日々です。皆様は、どのように秋を楽しまれておられますか?
先月号で紹介いたしました、10月5日(日)の保谷小学校での「スポーツのつどい」に参加下さった方、楽しく体を動かせましたでしょうか?また、10月18日(土)~20日(月)には、柳沢公民館にて市民文化祭に参加しておりますので、ご来場いただければ幸いです。
さて、今月の話題は、
1) 視覚障害者向けスマートフォン活用支援プログラムに参加して。
2)西東京市における令和7年度の災害対策関連の実施事業の情報を危機管理課から頂きました。
及び、3) 今月中に間に合うイベントの再案内。
をお送りします。

▼1) 視覚障害者向けスマートフォン活用支援プログラムに参加して。

皆様の中には、既にスマホを駆使しておられる方もおられると思いますが、未だ「ガラ携」と言われる携帯電話を使われておられる方、「スマホ」に買い替えたけど、操作に不慣れな方もおられると思います。
視覚に障害があると、指先にしっかりとタッチした感触が無いスマホは、扱いにくいと思いつつ、時代の流れや、古いガラ携の機能に制限があるなどで、ともかくスマホに買い替えた方もおられるのではないでしょうか?
私もその一人で、何とか携帯電話や、ライン、メッセージを使ってはいますが、電話番号の登録、ラインの友達登録、新たなアプリの設定などは、今まで妻に入力してもらうありさまでした。
また、必要に迫られたり、何気にスマホ画面を触って、初期状態で用意されているアプリを触って試すことは有っても、全盲の為、画面の状況がイメージできないので先には進まないでいました。
スマホを入手した時に、自己流でいい加減な思い込みで使っていたのが良くないと分かっていたのですが、変にメンツがあったりで、新たな知識を得る機会を失っていたのではと反省するところです。

その様な中、「広報にしとうきょう 8月1日号」に視覚障害者向けスマホ講習会として「東京都スマートフォン活用支援プログラム」の案内が掲載されていました。
全盲の者には「音声操作コース」と、弱視者向けの2コースが設定されており、それぞれに、半日での6日間の出席が求められておりました。
野口の現在の症状では全盲状態なので、「音声操作コース」を選択して参加しましたので皆様の参考になればと、今月の記事としました。

講習は、始めの4日が基本操作、ひと月ほど空けて2日で追加の応用編での個別相談となっています。
6回のうち9月の前半の4回が終わりましたので、その内容と感想をお伝えします。
 事前に墨字版・点字版・デージーの教材が送られて来ました。
講師の先生が説明と模範操作を解説しながら進めて行きます。
参加者には、一人ひとりにサポーターが付きます。今回の受講者は二人だけでした。
スマホは持参しましたが、持ってない人には貸出があります。
講習で用意されていたスマホは、iPhon の 最もリーズナブルな機種の SE シリーズで操作解除や操作の最初の画面(ホーム画面)を表示させるのに物理ボタンとしてホームボタンを使うタイプです。他のシリーズでは、ホームボタンが無くなっています。
このシリーズの販売は終了していますが、これから最新機種を購入・機種変更をされても、同じ目的の操作に若干の手順やタッチする場所が異なりますが説明を聞けば、難しいと言うほどでは無いようです。
その点、講習用の機種は、初心者に解りやすい構造と思います。
偶然にも、受講の二人も、同じ SE シリーズで、それぞれに同行していた晴眼の家族も、同じ機種だったので、普段、操作などを手伝っていることから、共に学習者となってしまいました。
なお、講習用、持ち込みスマホは、既に視覚障害者が使える様に設定されています。新規購入などの際は、販売店や晴眼の方にアクセシビリティの設定をしていただくと良いでしょう。

以下は同行してくれた妻のメモを参考に書いています。
最初に講師の先生の自己紹介、サポーター方との簡単な自己紹介をしてから講習の開始です。
第一章スマホの基本・第二章Siri(シリ)の活用・第三章検索とアプリの活用・第四章便利なアプリの活用と、一日一章ずつ学習していきます。

一日目ではiPhoneの「構造と役割」、「ボイスオーバー」とボイスオーバー操作時の「ジェスチャーのタッチ(軽く触っている感じ)・タップ(軽く叩く動作)・スワイプ(素早く滑らす)・等々」を慣れるまで練習しました。
何となく使っていたiPhonの構造と役割では、電話として耳に当てている時は、周囲に聞こえない状態になるのに、テーブルに置いて会話すると勝手に大きな音量となる仕組みに、ここに「センサーがあったのか」、「耳を充てる所と本体の底面にあるスピーカーが使い分けている」ことを今更になって知りました。
ジェスチャーに対応して、画面に「指先を何本使う」か「いっきにタップを何度するか」、「スワイプの向き・方向は」の組み合わせで、様々な操作ができます。講習では、4本指まで使うことを学びましたが、後日、インターネットで調べてみると、なんと、5本指操作も有る様でした。
なお操作の感触に慣れるための練習モードでは、画面上で指を動かすとその操作の名称と機能の説明が読み上げられる様になっています。

二日目は「Siriを使って出来ることを増やしましょう」がテーマでした。
Siriを使う手順も説明を受けました。
Siriを使って日付の確認(カレンダー)、時刻の確認(時計)、天気予報を調べる等々(Siriってこんなに色々な事が出来るんだ!)との確認です。
今までも、「ここはどこ?」「○○どこどこまでの距離は?」「地名や短い言葉」を調べたいときに質問すれば、正確かどうか判りませんが、ほどほどに答えてくれます。
これまで、最も便利に使っていたのが、電話を掛ける行為です。スマホに買い替えた際に、ガラ携の電話帳を携帯ショップの方に移行してもらっていました。それらの電話先は、「Hey Siri ○○に電話かけて」や、電話画面のキーパットで電話番号をタップして掛けていました。
また、それ以降は、妻に送受信履歴を電話帳に入力してもらっていましたが、三日目の学習で、文字入力を学んだので、自身で電話帳登録もできる様になりました。もしかしてSiri を使えば、簡単に登録できるのではないかと、応用の学習時に尋ねてみたいと思っています。
操作に関する指示では、この原稿を書いている少し前に航空機を利用しましたが、その際も「Hey Siri、機内モードにして」や「解除して」も音声で支持することができました。

三日目はSiri を使ってのマップの検索、メモアプリ、ボイスメモアプリ、カレンダーアプリ、そして文字入力の方法など、今までは、上手く使っていなかった機能を学びました。
今まで、Siri に少し込み入った質問をすると、「○○なについてWeb上でこちらが見つかりました。ご覧ください。」と答えることが多々ありました。この時画面には、ブラウザーが開いている様なのですが、全盲になってからスマホの画面を見たことが無く、その画面イメージも知らなかったので、深く情報を読み解くことが出来ませんでした。
今回、講師の先生が、画面のレイアウト、リンクの操作を講習してもらって納得、先に進むことができました。
これだけでなく、文字入力用として、画面の下半分に、ガラ携と同じ電話番号キー配列の画面が出ていることも知らなかったのですが、妻曰く、「私は画面が見えていたから、何が判らないのか気が付かなかったワ」と、なんとそっけないこと。
これからは、 Siri の、音声入力を使って、家内がキー操作をするより、簡単に文字入力ができることに満足しています。

四日目は主にSeeingAIとLINEの使い方を受講しました。
SeeingAIも文章を読み上げだけでは無く、設定機能を広げることで、「紙幣の種類(新紙幣にはまだ、未対応)、明るさ、色加減(ちょっと、ずれているが)」などが出来ることを実物で教えてくださいました。
また、siri を活用できる場面を練習し、例えばLine も簡単に送ることが出来る様になりました。

前半4回は終了、今月に後半2回があります。
その際には、視覚障害者向けの便利「道案内」や「カメラを使った AI 機能」なアプリケーションのインストールや操作について学ぼうと思っております。
その様子は、次号の「西視協からのお知らせ」で今回の続きとして、報告できればと思っています。

最後に、講師の先生はユーモアも交えて判りやすい口調で教えてくださり、それぞれの進捗を確認してから次に進めてくださいます。
また、サポーターの方が付いていますのでスマホの誤操作などがあった時も適切に対応してもらえます。
講習会は、西東京市の市報から紹介される場合も、東京都から案内されることもありますので、
連続して出席がネックとは思いますが、手順を追って学べる機会をご利用されることをお薦めします。
西視協にも、講習会の情報が入りましたら、お知らせさせて頂きます。

▼2) 西東京市における令和7年度の災害対策関連の実施事業の情報を危機管理課から頂きました。

西視協では、市内の障がい者団体関係者と障害者の防災に関する取り組みを進めて来ました。この度、西東京市総務部危機管理課から、既に市報で公開されている内容もありますが、「令和7年度の災害対策関連の実施事業」を広く皆様にもご紹介くださいと情報を頂きましたので、ここに掲載します。

①在宅避難への備えの啓発を目的に、全世帯に携帯トイレ15個と在宅避難ガイドブックが配布されます。
災害時の課題として、自宅での飲食料品や食品の備蓄だけでなく、トイレの備えの重要性が再注目されています。
 自宅に倒壊の危険性がない場合に、避難所へ行かず自宅にとどまって生活を続ける「在宅避難」は、住み慣れた自宅で引続き生活を送ることであり、プライバシーの確保や精神的な負担の軽減につなげることができます。

トイレの水洗化が進んでいる都市部では、地震発生時は下水管の損傷で家のトイレが使えない状況に陥ると思わねばなりません。そんなときに有効なのが、洋式便器に便袋を設置して使用し、し尿を凝固剤で固められ、衛生的に使用できる「携帯トイレ」です。家にある洋式便器に便袋を設置することでトイレとして使用することができます。し尿を凝固剤で固められるため衛生的です。
10月から来年1月にかけて、順次、地域ごとに配布されますので、在宅避難ガイドブックをご覧いただき、ご家庭での備えと携帯トイレの体験や、それぞれの家族数の備えを各ご家庭で準備願います(一人当たり、一日5回から7回の使用と、支援体制が整うまでの3日分の備蓄を推奨しています)。

②災害時に備え「トイレカーの導入」を進め、自治体同士の相互援助ネットワーク(応援・受援)に加入します。
市民の尊厳ある避難生活を確保するため、「発災から3日以内での良質なトイレ確保」を目指した防災・減災に取り組み、
災害派遣ネットワークプロジェクト に参加することで、協定を結んでいる自治体からの速やかな支援、同じく、西東京市からも助け合いへの相互支援の対応を行ないます。
トイレカー購入には、市の予算とクラウドファンディングでの資金調達で実施します。市民の皆様の協力に期待しているとのことで、以下に、ポイントを掲載します。
購入予定のトイレカー(トラック)の仕様は、自走式トラックで、給水タンク、汚水タンクを備え、ソーラーパネルと蓄電池を備えています。通常の仮設トイレより広い、洋式の水洗トイレを備えた個室が5室、また最後部は、電動車いすリフター、オストメイト対応設備、おむつ交換台、ベビーキープを備えた多機能トイレ室となっています。
市の報道公開とクラウドファンディングについては、市のホームページのトップから参照できますので、ご覧ください。

③10月26日(日)10時から13時頃まで、西東京市総合防災訓練が催されます。
以下、危機管理課ホームページを引用します。
場所:市民広場(保谷庁舎)
内容:関係機関による、防災意識の啓発及び市民への体験提供(イベントの実施)

 令和6年1月に発生した能登半島地震等、過去の災害を踏まえ、自らの備え(自助)や地域の助け合い(共助)の重要性が再認識されています。
 関係機関による展示等を通じて、市民ひとりひとりが平常時及び災害発生時に「自らが何をすべきか」を考え、災害に対して準備する等、防災に関する意識や知識、行動力の向上を図るための機会になればと思います。
用意されている内容、体験は、「各種体験:起震車や初期消火体験」、「防災対策:協力団体等による各種防災に関する展示」、「備蓄品展示:防災資器材等の展示」などです。※
展示内容は、急遽変更となる可能性があります。
はしご車搭乗体験については、10月15日(水)17時までの事前申し込みで抽選となります。イベント案内ホームページから申し込んでください。

④年明けの2月28日(土)に、「本格的な避難所開設訓練」が計画されています。
災害発生直後を想定し、市内の避難所で共通に作成している「アクションカード」に添って、避難所運営協議会の委員が中心になって避難所を開設訓練を行ないます。この訓練に、障がい者福祉をすすめる会の参加団体の障害当事者、関係者の参加が期待されています。
詳細は、後日にお伝えしますが、災害時に自らの安全を確保、行動の確認のためにも、避難住民役として参加をご予定に組んでくださればと思います。

▼3) 今月中に間に合うイベントの再案内。
先月紹介したイベントですが、今月の「情報ほっとライン」が届く頃以降のものについての再案内です。

3)-1 「ふれてみよう! 日常サポートから最先端テクノロジーまで」と称した視覚障害者向け総合イベント
「第17回 サイトワールド (2025)」が開催されます。
日時:10月16日(木)~18日(土)午前10時~午後5時(最終日は午後4時まで)
(今年度の開催日は、例年と異なることにご注意ください!)
会場:すみだ産業会館サンライズホール8階(JR・東京メトロ半蔵門線 錦糸町駅下車 丸井錦糸町店内)

3)-2 西視協も展示ブースを設けています。令和7年度 第23回 西東京市民文化祭 展示会
日時:令和7年10月 18日(土)~20日(月) 10:00~17:00(最終日は16:00)
場所:柳沢公民館内(西部新宿線 西武柳沢駅南口からすぐ)
参加団体:西東京市障がい者福祉をすすめる会・市内の障害者協会、作業所、事業所
展示内容:作業所、事業所の活動作品や製作物の展示、各障がい者団体紹介など。
視覚障害者協会は、ポスター掲示と、皆様と「見えない人も、見える人も一緒に楽しめるゲーム『グラマ』」や、「視覚障害者あるあるカルタ」」で遊べる用意をしております。

♡後書きです: 今月は、危機管理課からの防災対策の話しとして、トイレ関連の話題が多くありました。
私たち人間が、健康に暮らすには、トイレは不可欠な設備です。
今回の記事に載せてはいませんが、実は危機管理課からは、避難所となる小中学校や施設に、マンホールトイレの設置が進んでいる状況の紹介もありました。
しかし、マンホールトイレでは、8月に開催した東日本大震災をテーマにした映画であった様に、視覚障害者が利用するのには困難だった話もありました。その点、自宅避難時の携帯トイレ、避難所でのトイレカーについては、全盲の障害者として、大いに助けとなると思いました。

さて私の住まいの近くに、「特別養護老人ホーム尚和緑寿」と言う施設があり、10月1日にリニューアルオープンしました。
オープンに先立ち、内覧会が開かれましたので、出かけてみました。
そのなかの「ふれあい広場」には災害時に備え、「かまどベンチ」と「災害用マンホールトイレ」が設置されていました。
広場には「井戸」もあり、ここから生活用水を確保できるということです。
また、建物内の「いこいの広場」というホールでは、いざという時の防災拠点として整備されるそうです。
近くにこのような施設が在ることが、大変、心強いと思いました。

♡視覚に関して何らかの障害や不安をお持ちの方、支援活動をとお考えに賛同頂ける方、是非、協会会長までお声がけください。連絡先は、0422-77-7653(野口 宅)へお願いします。
協会が当局への福祉施策への要請や、皆様一人一人が困っていることの解決や、情報などの交換の場に成れば幸いです。
なお、会員・賛助の会費は、年額 1,000円/1口、ボランティア会員は、会費不要です。

毎月、図書館からのハンディキャップサービスの「情報ほっとライン」に音訳でのお知らせと、印刷版を窓口カウンターに置かせて頂いています。
また、市の障害福祉課のホームページに「市内の福祉関係活動団体」として掲載頂き、社会福祉協議会のボランティア活動センターへの登録と、西東京市が運用している「ゆめコラボ」にも、登録しています。

■今月は、西東京市視覚障害者協会 会長の野口がお送りしました。