2025年11月号(vol37)

「西東京市視覚障害者協会からのお知らせ(通巻37 2025年11月号 」をお送りします。
■晩秋を迎えて、木枯らしの風が頬に当たる様になり、寒いと感じる日が増えて来ました。
足元から枯葉が靴に絡む感触、踏みつけた際の乾いた音を聞きながら歩いてもいます。

秋を愛でるテレビ番組では、山々や寺社の紅葉の話題を耳にしたりしますが、昨今の気候の変化は予想が付かず、この後に近づく冬の様子がどの様になるか気になる今日この頃です。

今月の話題は、
1) 先月に開催された視覚障害者向け展示会「サイトワールド 2025」での「ロボット盲導犬」と「スマートスピーカ」の紹介
2) 視覚障害者向けスマートフォン活用支援プログラムに参加しての後編。
及び、3) 12月4日(木曜日)・5日(金曜日) アスタセンターコートにて「令和7年度障害者週間事業 手作り品販売会&作業展示会」が開催されます。
の話題をお送りします。

▼1) 先月に開催された視覚障害者向け展示会「サイトワールド 2025」での「ロボット盲導犬」と「スマートスピーカ」の紹介

先月号にてイベント案内で紹介しました「視覚障害者向け展示会「サイトワールド 2025」を見て参りました。今年も多くの見学者を迎えていた様子でした。
お馴染みの拡大読書器などの支援機器も並んでいましたが、読み上げ機能が有ったり、画面が大きくてもコンパクトに持ち運べるなど、各社、性能の良さをアピールしていましたが、円安の影響か、いずれも高額化していました。
多くの自治体では、未だ、助成額が従来の所もあり、自己負担が多くなっている様です。
その他、公共施設に用いる物や、歩行支援関係の展示物が多かった様に思いました。

さて、目新しい展示で私が気になった2点を、紹介したいと思います。
一つは、「開発中の盲導犬ロボット」についてです。
盲導犬ロボットを展示していたのは、サイトワールドに初出店の「株式会社オートテクニックジャパン」のブースでした。同社は、自動車開発で培った技術や知見を活かし、社会課題の解決に取り組んでいる企業として紹介されていました。
自動車の自動運転技術に関する開発、研究を主な事業としており、その応用研究、開発の中に視覚障害者の移動支援を目的としている「盲導犬ロボット」を展示品の一つとして紹介されていました。

展示されていたものは、完成時のサイズの、モップ(実際のサイズの模型)です。スタイルは、盲導犬よりは小型で、一応、少々ずんぐりの胴体に犬の形状の頭と4本足が付いていました。しっぽが有ったか確認しませんでした。
背中から太めのパイプ状の操作用アームが付いています。丁度、古いタイプの掃除機のホースの上部に各種スイッチが付いた持ち手の様な感じです。
説明パネルには、
ロボット盲導犬の特長(研究開発中):オートテックジャパン
人と「ロボット盲導犬」がやさしく協力して歩くための新しい仕組み「ヨリソイUI」は次の3つで構成
1)ロボット
4足歩行で階段、段差にも対応。搭載のGPSと「LiDAR」で立ち位置と周囲の環境を把握し、地図上のどこにいるかを正しく認識
2)テザーハンドル
ロボットと人をつなぐ「リード」。2つのセンサー(無接点エンコーダー)で人の動きや、人との距離をロボットは伝える
3)ウェアラブル
首にかけて使う小型デバイス。カメラやマイク、スピーカー、位置を知るためのGPS、動きを感知するセンサーなどで構成
目指す姿
・人の歩行ペースに同調(ゆっくり歩けばロボットもゆっくり歩行)
・マイクを通した言葉で「右に行きたい」などのお願いを実現
・位置がずれても、自動で位置調整して安全に案内
・周囲の危険や異変、役立つ情報を認知し、スピーカーで警告や告知
・カメラで撮像した内容を認知し、人の状況を理解
・歩行中の困難や転倒をセンサーで感知し、即座にサポート動作へ移行
と書かれていました。

説明されていた方の話では、実際に公道で使うには、まだまだ先になるとのこと。
自動運転の車両扱いに成る可能性があり、道交法での認可を得るのにも、時間が掛かるだろうとのことでした。

以前に、情報ホットラインで、晴海の日本科学未来館での、AIスーツケース体験を紹介しました。こちらは、先月に閉幕した大阪万博でも実証実験が行われていましたが、車輪走行なので、段差や会談は不得手な所がありました。

その他のナビシステムの展示品も見られましたが、白杖を片手に、スマホでのナビや身体に直接つけてのナビでは、それなりの慣れが必要ですし、盲導犬の普及や訓練などが簡単で無いことを思えば、できるだけ早く製品化を期待したいと思いました。

次に、予め興味のあった「スマートスピーカー アマゾンエコーでのサピエ図書館利用」についてです。
スマートスピーカーについての説明や、基本操作、設定については、省略させて頂きますが、これを利用するには、サピエ図書館利用の登録が出来ていることと、自宅にワイファイ環境が有り、アマゾンエコーのいずれかの機種を保有、利用している必要が有ります。今回、それらが揃っているとして、あるいは、これから揃えようとしている条件で紹介します。

当日は、大阪からサピエ図書館を運営している「全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)」の方が来訪されていて、実機を用いて講義形式での説明会を行なっていました。
そこでの、話題を列挙しておきますので、参考にして下さい。
・アマゾンエコーの機種は、基本機能以外に様々な機能が付いた機種が有りますが、安価のもので利用可能です。
・読みたい本の選択は、署名や著者名を音声で支持して検索しますが、検索時の音声からの文字変換が上手く行かないことがあります。
・検索結果が多い場合、目的の書籍まで検索結果リストを「次へ」と繰り返して探す必要が有ります。
・朗読再生中の一時停止は可能ですが、他の命令を挟むと再開ができません。改めて、検索からやり直して、文頭から始まりますので、目的の所まで、章単位やページ数で飛ばす必要が有ります。
・就寝前に聞いている際のスリープ機能は、ありません。
・読み込んでいる朗読データを保存することはできません。
・朗読のスピードの調整は出来ません。
以上、普段、パソコンや再生専用機を使っている感覚からは、期待外れの面がありました。
今後の改善に取り組んでいるとのことですので、期待したい所です。

▼2) 視覚障害者向けスマートフォン活用支援プログラムに参加しての後編。
先月号で話題提供致しました「スマホ学習会に参加して」の話題では、それまで我流で使っていた反省と学習会に参加してスマホ(iPhone でしたが)の本体の構造、基本操作を筋道を立てて教わったことで、全盲でもうまく使えるようになったことを書かせて頂きました。
講習は前半・後半となっており、後半では、操作に慣れるまでの暫くの間を置いての受講で、復習と便利なアプリの紹介、質疑応答の時間として、各2時間の二日間で行われました。

復習の時間では、前半の学習内容の様々なジェスチャーを使用する場面や、音声での操作支持のシリを使っての
指示場面などを再現しての確認です。これらは共に参加した受講の方とも、まずまずの再現ができました。

前半の学習会では、日常使いに便利なアプリとして
カメラで捉えた内容をテキストや音声で教えてくれるアプリ、「Seeing AI」をつかう場面がありました。
アプリの言葉の意味としては「見えたものを AI で分析」となるでしょうか…。
具体的な例としては、
少々、コツが必要ですが、Siriを介して、読ませたい書類には「この書類読んで」、商品のラベル、封書などにカメラを向けて、「これ読んで」と指示すれば、テキスト部分を読み上げてくれます。なお、手書き文字の解読は、良いとは言えないですが。
お札に対しては「これいくら」と言えば紙幣の種類を、
スマホを翳して「明るさは?」と話しかけると、周囲が明るいほど高いビープ音が鳴り、その場の明るさを教えてくれました。

また、撮影したイラストや風景人物の風采、風体の説明もしてくれます。同行してくれた家内に、私の姿を撮ってもらうと「髪の毛を後ろにくくった白髪、髭を生やした男性が写っています」との分析した説明がありました
これらの説明は、テキスト文章としても提供されるので、メモとして残して置くこともできます。

今回の後半の講習では、更にAI(人工知能)の性能が良く、場面に依っては、ネットを介してボランティアさんとカメラにに映った画像をリアルタイムに説明してもらえる「ビーマイアイズ」の紹介とインストールを行ないました。こちらのアプリの意味は「私の目になって」となります。
この他にも、カメラとAI機能を使ったアプリの紹介を受けました。

移動支援に関するアプリでは、地図とナビ機能を持つアプリの紹介を受けました。
先の学習では、シリを使って、「近くのコンビニはどこ?」や「おいしいケーキのお店を教えて」で得られる回答に電話を掛けますか?」、または、「ナビを始めます」を選んだり、目的地を示して「○△までの経路を教えて」で予め用意されている MAP (地図)アプリで、乗り物を利用した際の時間や運賃の情報を得られることを確認しました。

今回は、更に詳細なナビを提供できるいくつかのアプリの紹介を受けました。

AI機能のアプリも、ナビアプリなどの利用には、初期ダウンロード時に有料であったり、利用の都度、利用料金がかかるものも有りますので、自分に合ったものを予め調べて選んでください。

なお、「東京都スマートフォン活用支援プログラム」として、東京都の主催の講習会ですので、公にも便利なアプリや防災関係のアプリ、安全な利用について、以下の啓蒙情報の講習が提供されました。

・ おすすめの防災アプリとして、「東京都防災アプリ(お住まいの地域の防災情報が確認できる」、「Yahoo!防災速報(通知を受け取る情報を細かく設定可能でリアルタイムに情報配信)」、「東京都水道局アプリ(断水時の給水場などが現在地から探せる)」、「Uni-Voice Blind(耳で聞く防災アプリ)」、「radiko・らじるらじるなどのラジオアプリ」、「LINE・X(旧Twitter)などのSNSアプリ」。

スマホを安全につかうためには、
スマートフォンに入っている「本人や友人などのプライバシーに関わる情報」、「クレジットや金お金に関する情報」などの大量の情報を守るための注意やパスワードの大切さの説明がありました。
また、SNS や、不審なメールなどに不必要に個人情報を載せない事、Web 閲覧での注意も話されました。

最後に、トラブルに巻き込まれた際の相談窓口の紹介もありました。

以上、有意義な学習会で有りました。
しかし、講習の時間帯が、午前の9時からとなっていたため、同行者を必要とする視覚障害者には、参加のハードルが高く、今後の学習者の為にも、配慮を考えて欲しいと思います。

今後も西東京市からのお知らせで講習会案内が有るかも知れませんが、近隣を含め講習会の情報を得るには「東京都アクセシビリティ向上支援事業事務局 電話: 03-3355-6733」にお尋ね下さい。

▼3)12月4日(木曜日)・5日(金曜日) アスタセンターコートにて「令和7年度障害者週間事業 手作り品販売会&作業展示会」が開催されます。
今年も、12月に入ると、恒例の「障害者週間」が始まります。西東京市では、市内の障害者団体、作業所、福祉事業所などの障害者関係団体のポスター展示での紹介、作業所で製作されている食品、装飾品などの展示販売が行われます。
視覚障害者協会も、身体障害者福祉協会・聴覚障害者協会・手をつなぐ親の会・小鳩会などの当事者・家族会と共に、活動案内のポスター掲示を行ないます。

また、作業所関係団体さんの展示販売は、11時から開始、クッキーやシフォンケーキなどの美味しそうなお菓子関係や、クリスマスリース、お正月用ポチ袋など力作が用意され、毎年、人気が高く、展示開始後に早々の完売状況となるところもでてきます。

♡後書きです:
今月は、ロボット盲導犬を紹介しました。国内外のロボット盲導犬の開発状況を調べてみると、中国・英国・ドイツなどで開発が進んでいる様子です。
中国では、6本足の盲導犬の実証実験が行われている記事が見つかります。
かつて、野口が努めていた所では、ロボット開発をされていた研究者がおられましたが、平面走行だけでなく、階段の上り下りの機能を持ち合わせるのは難しいことを語っていました。
実際の盲導犬は上手に階段の上り下りを行なっていますが、体形として後ろ足の方が長く、階段を降りる状況には、相当の負担を強いられることと聞きます。
最近、サピエ図書館を介して、盲導犬ユーザの方々の手記を集めた書籍を読ませて頂きました。
盲導犬が生き物であることの大変さもありますが、暮らしの中で、相棒、パートナーとして、共に歩む姿に心通う愛情に満ちた関係を書いておられ、感動する場面が一杯でした。
安全性が担保され、目的地までのナビもできるロボット盲導犬やAIスーツケースが普及することを望みますが、機会に操られる気持ちと、道具として見なしてしまうのではないかと、何だか、心に引っ掛かりを感じています。

♡視覚に関して何らかの障害や不安をお持ちの方、支援活動をとお考えに賛同頂ける方、是非、協会会長までお声がけください。連絡先は、0422-77-7653(野口 宅)へお願いします。
協会が当局への福祉施策への要請や、皆様一人一人が困っていることの解決や、情報などの交換の場に成れば幸いです。
なお、会員・賛助の会費は、年額 1,000円/1口、ボランティア会員は、会費不要です。

毎月、図書館からのハンディキャップサービスの「情報ほっとライン」に音訳でのお知らせと、印刷版を窓口カウンターに置かせて頂いています。
また、市の障害福祉課のホームページに「市内の福祉関係活動団体」として掲載頂き、社会福祉協議会のボランティア活動センターへの登録と、西東京市が運用している「ゆめコラボ」にも、登録しています。

■今月は、西東京市視覚障害者協会の野口がお送りしました。