2025年12月号(vol38)

「西東京市視覚障害者協会からのお知らせ(通巻38 2025年12月号 」をお送りします。

■街角は喧騒に満ち溢れた師走となりました。クリスマスソングが流れ、少しは風景を感じられる方には、イルミネーションが輝いて見えるでしょうか?
その様なにぎわっている街中に出かけると、人それぞれではありますが、一年の中で最もお金が出て行くような頃にと感じております。
そう言っても、年の瀬に近づくと、懐具合に関わらず年度末の準備、お正月の準備になりますが、昨年と比べての物価高に、何事も少し控えめ、控えめの買い物になってしまうと思います。

今月号は、
1) 令和9年度からの「第8期西東京市障害福祉計画・第4期西東京市障害児福祉計画の策定」へのヒヤリング報告
2)視覚に障害が有っても 「弱視(ロービジョン)」では、障害者手帳交付されないものがある」について
3) 障害者割引と同伴者は無料鑑賞の「ピアノと物語」の案内
の話題をお送りします。

▼1) 令和9年度からの「第8期西東京市障害福祉計画・第4期西東京市障害児福祉計画の策定」へのヒヤリング報告

西東京市をはじめ、全国の地方自治体(都道府県、市区町村)では、障がい者福祉政策の検証や見直しを行なう目的に、10年毎に「障害者基本計画(5年ごとに中間見直し)」と3年ごとの「障害福祉計画・障害児福祉計画の策定」が行われることになっています。

現在、令和9年度からになる「第8期西東京市障害福祉計画・第4期西東京市障害児福祉計画」の策定作業が始まっています。
この策定を前に、現状の課題やニーズ等を把握を目的として、市内の障害者関係団体・事業所等への障害のヒヤリングが行われました。
私達西視協も、11月10日(月)に出席いたしましたので、その様子と内容の報告をさせて頂きます。

ヒヤリングを前に事前調査としてのアンケートを求められており、事前回答しておりますが、ヒヤリング当日は、僅か30分弱と言う時間しか用意されておらず、以下の3点を重点事項として口頭での回答に臨みました。

①同行援護時間の問題として、時間数と柔軟な運用を望んでいることを訴えました。
障害特性として全盲者は一人での外出が困難であることを伝え、生活での活動と、併せての団体活動に同行援護時間の不足することがある事を伝えました。また、通院には同行援護が使えないのが現状ですが、総合病院のなどで、同行が必要な場合の利用について、厚生労働省の通達が有ること、他の市では認められていることの例や、ガイド研修にも有ることを伝えました。

②同行援護事業所の問題として、市内に対応事業所が少ないであること。毎年、市の助成でのガイドヘルパー養成講座が開催されていますが、市内での雇用に繋がっているかや、受講後のフォローアップを期待したいと伝えました。

③支援相談専門員対応事業所の問題として、視覚障害対応に限らず、相談専門員が少ないことを指摘しました。障害者のしおりには「身体障害」として視覚障害も包括されていますが、視覚障害という独自の障害に対応できるとするところは少なく、新規受け入れも困難な状況を伝え、市内の視覚障害者の状況の把握がされているか懸念を伝えました。
また高齢化が進み、中途障害の視覚障害者が増えていると思われることから、65歳の壁に見られる、介護保険適応移行に、セルフ対応や、専門員の計画支援体制からケアマネへの引継ぎについて、視覚障害の特性への配慮が適切に行われる様にとの期待を話しました。

これら、3点以外に、事前のアンケートに答えた主な内容は、

「令和9年度から始まる計画に重点的に取り組むべきだと思うテーマについて」を問われておりましたので、
「申請手続きの決定までのプロセスの短縮化」、「障がい者支援部門の職員に障害支援の現場を直接に見られる機会や交流による理解や信頼関係の構築を期待したい」、「高齢化社会が進む中で、独居視覚障害者が増えて行くと想定されます。視覚障害者に特化した施設(グループホームやデイサービス事業所など)の設置を見越しておく必要があるだろうと思います。 理由として、視覚障害者に求められる支援の内容や設備などは、一般的な空間環境とは大きく異なることが上げられます。例えば、建物内であっても、誘導設備や点字の案内、娯楽での対応や入浴などで目が見えないことの配慮が必要で、一般的な施設では、おろそかになる可能性が高く、計画として高齢福祉課との連携に取り組んでいただきたい。」を上げました。
○このほか、協会の活動状況や、西東京市の福祉施策の評価、西東京市の良い点、良くない点の意見を求められておりましたが、少々厳しい評価をさせて頂きましたことを、会員の皆様には、お伝えしました。

▼2)視覚に障害が有っても 「弱視(ロービジョン)」では、障害者手帳交付されないものがある」について

西東京市視覚障害者協会では、市内で催されるイベントに参加させて頂く際に、「街角で視覚障害者を見かけたら」と言う冊子を配布させていただいております。今月初めに催しされた、アスタセンターコートにての「障害者週間」においても、協会紹介と共に配布致しました。

今回の話題では、「視覚障害」と言うと「全く目が見えない人」と思っておられる方が多いことから、どの様な視覚に関わる障害があるのかや、障害手帳が交付されなくても視覚に障害があると言う状態があることを紹介したいと思います。

視覚障害をひとくくりにすると、明らかに視力を失っている人を「全盲(盲人)」と言いますが、何らかの見る力は残っていて、日常生活の中で見ることに困難や不便さを感じて暮らしている人は「弱視(ロービジョン)」と言います。

まず、国内で視覚障害の障害者手帳を持っている人数は、31.2万人となっています(厚生労働省障害者白書平成27年度版)。
この内、全く光を感じない者、周囲の状況や目の前を全く判断できないレベルの者「全盲(盲人)」に該当する割合は、1割と言われています(視覚障害リハビリテイショョン協会)。
視覚に関する障害者手帳が交付される認定は、「視力」と「視野」の2つの状況で、1級から6級に区分されます。他の障害も、それぞれの状態程度によって、同様に、1~6級に区分されています。

「全盲や相当の視力困難な症状を持つ障害等級1級の者が、11.9万人、ほとんどの視認能力や視野などが失われて、移動や生活にかなりの困難なとされる重度障害に該当する2級の者が、10.8万人となっています。
1級、2級の重度障害に当たる手帳者数は、22.7万人です。
手帳の保有者は、重度障害に該当する者が 7割強となり、全障害者手帳数では、5割ですので、かなり多いと言えます。
また、障害者手帳所有者の60歳以上の年齢者が全体7割を占めており、高齢になって回復の見込みのない眼の疾病者が増える傾向も見られます。

高齢者が多い傾向は、病気(糖尿病、網膜色素変性症、緑内障など)やけがなどで視覚障害になった中途視覚障害者の方が多いのではないかのと思われます。
(ちなみに、西東京市の視覚障害者の手帳所有者数は概ね350人、内、1級、2級の重度障害者数は、220人です。)
(それぞれの人数データは、厚生労働省データなどを参照しました。また、 情報ほっとライン2024年2月号記事にても紹介しております)

なお、日本眼科医学会が想定する視覚障害者数は、手帳取得が申請制度であることで取得していない者や、米国の視覚障害機能判定基準(FVS)に合わせた場合の基準を考慮すると、手帳保有者数の5倍程度の視覚障害者数を見込んでいます。
(FVS)=国際的視機能障害の基準として評価を得ている「機能的視覚スコア」(Functional Vision
Score では、視力・視野の値だけでなく、生活の不便さなどを指標的評価を組み合わせて判定します)

全く見ることのできない「盲人」は、明らかに視覚障害と言えますが、現在の視力と視野だけでの障害認定基準では、実情として、視覚に何らかの困難さを持っておられる「弱視(ロービジョン)」でありながら対象とならない人たちがおられます。
今回、FVOの基準までを含めた視覚障害の状態を、ロービジョン学会や日本弱視者ネットワーク、視覚障害者関係団体などが示しておりますので、その視覚障害者の事例を紹介します。

弱視(ロービジョン)は、文字通り、視力が弱い状態を指します。
概ね、視力検査で、0.3 以下と言われますが、メガネやコンタクトレンズなどで矯正しても、それ以上の改善が出来ない状況にあります。一般的に、視力が落ちた、遠くや近くが見えにくいなどは、メガネなどのレンズを使って、眼の網膜に投影されるピントを調整して、視力を良くしますが、目の中の組織の問題、網膜の障害、視神経と脳神経伝達細胞に問題が有るなどで、メガネなどの調整では改善できない症状となります。

他にも、物を見る行為に於いて、視力が良い場合でも視野が狭く、周囲や中心、視界の中にまばらに見えない所がある状態、
左右のどちらかが全く見えなくて距離感がつかみにくい、夜道や暗い所で見えない、色の判別が判りにくい、手物を見る際に目線がぶれて安定しない、光に過敏でまぶしい、急な明るさに反応しにくいどなど、様々な状態にあります。

弱視は、弱いながらも視力があるので全盲には当てはまりません。これが弱視と全盲の第一の違いです。そして、第二の違いは、弱視は視力の弱さに個人差が大きく、全盲のように視力がないという共通点がないことにあります。
現行の障害者手帳での判定基準では、手帳交付がされていないが、視覚に不便を感じておられる方々がおられることを知って頂きたいと思います。

西東京市視覚障害者協会としては、様々な視覚の障害を学び、互いに理解する場になればと思います。また現状、身体障害者帳が無くても福祉の制度に対する要望、情報の収集などができればと思います。
なお西視協は、障害当事者としての入会に手帳の有無を問いませんし、賛助、ボランティア会員も募集しておりますので、弱視の状況に有る皆様のご入会をお待ちしております。

▼3) 障害者割引と同伴者は無料鑑賞の「ピアノと物語」の案内
「座・高円寺(杉並芸術会館)」から視覚障害者に音声ガイドを提供しての講演『ピアノと物語』の案内がありました。
「有名どころの出演者・同行援護をされる方の無料観覧・障害者割引」などなど、大変お得な内容であります。

ピアノと物語
『ジョルジュ』  『トロイメライ』

ピアノの名曲の生演奏と、俳優によるリーディング
●『ジョルジュ』
12月19日(金)19:00/20日(土)14:00/21日(日)14:00
※音声ガイドは、19日・20日のみ
作:斎藤 憐/演出:佐藤 信/出演:竹下景子、シライケイタ/ピアノ:平尾有衣

●『トロイメライ』
12月22日(月)19:00/23日(火)14:00/24日(水)14:00
※音声ガイドは、22日・23日のみ
作・演出:シライケイタ/出演:月影 瞳、亀田佳明/ピアノ:秋山紗穂

●【チケット】 全席指定席
一般 4,500円/2演目セット券 1名7,000円
<割引>障害者手帳をお持ちの方は1割引き。 ※2演目セット券は対象外
介助の方・ヘルパーの方は1名まで無料です。
<音声ガイド>上演中、イヤホンで音声ガイドをお聞きいただけます。※21日・24日は対象外
割引・移動サポート・音声ガイドは、チケットご予約時にお申込みください。
【会場】 座・高円寺1 (JR高円寺駅から徒歩5分)
【チケット取り扱い】:TEL 03-3223-7300:10:00〜18:00/月休
WEB https://www.e-get.jp/za-koenji/pt/

♡視覚に関して何らかの障害や不安をお持ちの方、支援活動をとお考えに賛同頂ける方、是非、協会会長までお声がけください。連絡先は、0422-77-7653(野口 宅)へお願いします。
協会が当局への福祉施策への要請や、皆様一人一人が困っていることの解決や、情報などの交換の場に成れば幸いです。
なお、会員・賛助の会費は、年額 1,000円/1口、ボランティア会員は、会費不要です。

毎月、図書館からのハンディキャップサービスの「情報ほっとライン」に音訳でのお知らせと、印刷版を窓口カウンターに置かせて頂いています。印刷版は、市内の障害者支援施設・障害福祉課などのチラシコーナーにも置いております。また、市の障害福祉課のホームページに「市内の福祉関係活動団体」として掲載頂き、社会福祉協議会のボランティア活動センターへの登録と、西東京市が運用している「ゆめコラボ」にも、登録しています。
現在、交付頂いた市内福祉活動団体の助成金を活用して、協会活動の様子や、視覚障害に関する情報やイベント案内、過去の会報を広く知って頂く目的に、ホームページの作成を進めています。視覚障害当事者での運用なので、どのような展開になるかは分かりませんが、公開になった際には、是非、ホームページお尋ねください。

■今月は、西東京市視覚障害者協会の野口がお送りしました。