2025年3月号(vol29)
「西東京市視覚障害者協会からのお知らせ(通巻29 2025年3月号 」をお送りします。
■今月号をお届けの頃、雛祭りを終え、春の心地よさを感じる季節になっているでしょうか?
この原稿に取り組んでいるタイミングでは、この冬の季節として最も厳しい寒波と、各地に大雪の頼りが届いていました。
しかし、このお知らせが届くころは、春の息吹が、より新鮮で、力強く感じるのではないかと思っています。
さぁ、眼からの風景を見るのは難しいけれど、体の皮膚に感じる風、香り、土を踏む足裏に春の季節を感じながら、片手に白杖、もう一方の手はガイドヘルパーさんや家族の方に載せ、散歩やウォーキングが楽しむのに良い季節を迎えたと思うところです。
(しかしながら、花粉症の方にはつらい季節かも?)
さて、今月の話題は、
1) 1月号でお送りした銀行の「現金自動受け支払い端末 ATM」の話題に続き、「窓口の対応の配慮」はあるか。
2) 西武鉄道の都内駅の中から、駅員不在の無人駅が見られる様になります。
3) 「視覚障害者向け機器展示会(4月26日(土))の予告」の紹介
をお送りします。
▼1) 1月号でお送りした「銀行の「現金自動受け支払い端末 ATM」の話題に続き、「窓口の対応の配慮」はあるかについてを話題提供します。
銀行をはじめとする金融機関、郵貯銀行、信用金庫などでは、送金・振り込み依頼、預貯金、公共料金の引き落とし契約に関する手続き、ローン契約と、日常生活の中で多くの取引が必要となります。
最近、これらの取引では、インターネットを介して対応できる様にもなってきました。
インターネット取引では、パソコンやスマホを介して取引を端末として行なうことから、読み上げ機能を利用することで、ある程度の行為が可能でしょう。そして手数料も安価に利用できます。
しかし、誰もが端末で操作が出来る訳ではありません。
私達の視覚障がい者も含め、まだまだ多くの人は、その多くの取引・契約は、金融機関の窓口に出向いて行うことになるでしょう。
先月号の記事では、
「銀行の「現金自動受け支払い端末 ATM」を視覚障害者にも操作できる仕組みが可能なものが普及して来ました。」
を紹介しました。
内容としては、現金の受払取引・残高照会についての操作でしたが、実際の ATM では、「送金・振り込み」の機能も持つものがほとんどです。
ATMを使えば、窓口での送金・振り込み手数料と比べて、手数料が安価に設定されており、ある程度の窓口対応時間外にも利用可能です。
しかしながら、視覚障害者がこの操作を行うには、送金・振込先の口座情報や、適用内容などの情報を ATM のタッチパネルを介して入力しなければならず、困難な操作となります。
また、自筆記載を求められる書類提出が必要な口座開設や、住宅ローン設定などの取引に於いても、
一人での訪問や家族以外の代筆を断られたりすることがあったのではないでしょうか?
この様に、障害の種類によっては、金融取引の場面でバリアとなる状態が生じることがあります。
さて、令和6年4月から、民間の事業者に対しても、障がい者への合理的配慮の提供を義務付ける「改正障がい者差別解消法」が施行されました。
先ほど紹介した取引においても、金融機関は取引顧客に対して、障害の有無に関係なく業務を提供する合理的配慮が義務となりました。
各金融機関では、これまでも法律での努力義務として、それなりの配慮に努めていたと思いますが、今回の話題では、配慮された三つの例を紹介しましょう。
なお、令和6年4月1日より民間事業者に義務付けられた「障がい者への合理的配慮」とは、障がいのある人が障がいのない人と同じように行動したり、サービスの提供を受けたりすることができるよう、過度の負担にならない範囲で、それぞれの違いに応じた対応をすることをいいます。
ここで詳細を説明するには紙面が足りませんので、内閣府のホームページからリーフレットなどをご覧ください。
①振込手数料について、三井住友銀行(郵貯銀行や、他行もほぼ同様の内容)では、次の様な案内をしています。
ATMでの振込が困難な、視覚障がいなどのあるお客さまがご来店された際に、お客さまのご意向を確認の上、窓口での振込についてもATM利用時と同じ振込手数料で受け付けています。
なお、現金、通帳、キャッシュカードの利用、他行あて、自行内宛など金融機関ごとに手数料が異なりますので、詳しくは窓口でお尋ねください。
②視覚障害や文字を書くことの困難な障害者、口座開設や様々な契約行為に氏名や住所情報などの記載が必要な場面についてです。
単独で店舗を訪ね、代筆を希望した場合に、同行者、あるいは家族との再訪を求めるのではなく、「銀行の従業員が代筆をする」と金融庁の監督指針に示されています。
但し、その方法は各金融機関での、内規・マニュアルに沿って行われるため、金融機関ごとに異なります。
例えば、ロビーの窓口で行員一人と対面で行うのではなく、別席に案内し複数の行員が立ち会い、行員同志、顧客同士での口頭確認と、経緯を記録記載して残す方法も一つの例です。
また、書き始めの箇所にペンを誘導してもらったり、定規のような署名押印ガイドを利用すれば、自筆署名が可能でしたら、ご自身で署名していただくことを薦めます。
この他、視覚障害者が通帳の記帳の後、記録内容の読み上げを希望した場合に、それに対応することも合理的配慮の事例となっています。
しかし、視覚障害者側にも差別禁止法の趣旨からいえば、「相互の理解」や「強引な要求は求めない」などの配慮は必要でしょう。
例えば、行員の少ない小規模店舗での多忙時に、いきなり訪ねたりすることは、如何なものでしょう。予め、訪問のタイミングを予約相談することや、やはり、家族、信頼のおける方となどが同伴できると、気持ち良い取引が出来るのではないでしょうか。
①、②の何れの場合も、窓口で障害者手帳の提示を求められる場合がありますので、必ず障害者本人を証明できるものを持参ください。
③点字を使える視覚障害者に金融機関での点字明細書の作成提供が広がっています。
銀行などでの通帳の代わりとなる「点字明細書」の発行が増えています。視覚障害の方が預金状況や引き落としの内容の確認などを行うために、金融機関が点字により発行しているものです。
通帳と違い同時の記帳は難しいため、例えば、月1回 利用状況のお知らせという形で通帳とほぼ同じ内容を点字印刷して発行、郵送により利用者へ届けてる金融機関があります。
今月号での事例で示した三井住友銀行も、郵便局の場合も同様事務センターから一定の期間ごとの取引情報を点字印刷して発行されています。
利用者は自分の口座内容が正確に把握できると好評です。これは金融庁が障がい者の方の意見聴取などを踏まえ、金融機関に「点字利用の拡大」を要請したこともあり銀行のほか地銀や信用金庫などで実施が広がっています。
現在普及段階ですので、ご自身の取引金融機関が対応しているかは、窓口にお尋ねください。
▼2) 西武鉄道の都内駅の中から、駅員不在の無人駅が見られる様になります。
ついにと言うか、西武鉄道においても、主要路線に無人化駅が広がり始めました。
無人化駅情報については、いつか情報ホットラインで紹介させて頂こうと思っておりましたが、
先月の 2月21日に、西武鉄道から「一部の駅における営業体制の変更について」との発表がありました。
対象駅は、西武の主要路線の新宿線、池袋線内の他、都内駅となる拝島線、国分寺線の一部の駅で、いずれも西東京市内ではありませんが、お出かけの際はご注意ください。
一人で行動される場合、タイムリーに駅員の援助が受けられないので、改札と駅ホームの移動、ホーム上での通過列車待ちなどで、視覚障害の皆様、特に気を付けてください。
対象駅は、3月25日(火)から、拝島線東大和市・武蔵砂川・西武立、国分寺線鷹の台・恋ヶ窪。
3月27日(木)から、新宿線新狭山・南大塚。4月1日(火)から、池袋線西所沢・狭山ヶ丘。狭山線下山口・西武球場前。
対象の各駅では駅係員による遠隔対応駅(インターホンで案内する駅)となります。
これに伴い、駅係員による乗車券類の発売・精算・案内ほか、窓口での対応は無くなります。
異常時等必要に応じて対象駅または近隣駅の係員が対応しますが、
電車の利用の際、係員による手伝いが必要なお客さまについては、西武鉄道お客さまセンター(0570)005-712)
への事前連絡を求めています。
既に西武鉄道では、2024年4月1日から、池袋線と秩父線の武蔵藤沢・稲荷山公園・仏子・元加治・東飯能駅・高麗駅が、無人駅と同様に遠隔対応駅となっています。
また、2023年の3月から、池袋線の飯能駅の先、秩父線のいくつかの駅でで日中のみ駅員巡回方式の無人駅の運用が、始まっていました。それらの駅では、切符の販売器が無いため、改札口で、乗降車駅証明書発行機から証明のチケットを受け取り、降車駅で清算をするか、社内で車掌に支払うことになります。
困りごとが生じた際は、遠隔対応駅では切符販売器の横、巡回駅では改札の横にあるインターホンを通して係員に連絡して支持を受けてください。
▼3) 視覚障碍者向け機器展示会が、今年も、西東京市の隣、練馬区で4月に開催されます。
市内から訪ねるのに便利な所ですので、訪ねられる方に置かれては、同行援護の依頼などご準備下さい。
催し名:「第34回 アメディアフェア」 主催:株式会社よむべえ
見えない・見えにくいをサポートする視覚支援機器やサービスを一度に体験できる、視覚障害者向け展示会です。
文字を音声で読み上げる製品、視力補助用品、点字出力用品、オーディオ・サウンド用品、時計、白杖・杖、生活用品、健康用品、歩行支援の誘導ナビシステム、視覚障碍者向け支援用ソフトウェアやスマホアプリ 、パソコンソフト などなどが紹介されます。
毎年、新製品も紹介されています。出品物に依っては直販も行われる様です。
開催日時:2025年4月26日(土) 11:00~16:00
会場:練馬区立区民・産業プラザ(Coconeri) 3階 Coconeriホール
会場アクセス:西武池袋線・都営大江戸線『練馬駅』の中央北口からデッキを通って徒歩すぐの、アクセスが良い会場です。
ホームページを閲覧可能な方は、以下の URL もしくは「アメディアフェア 練馬」で検索にてご覧ください。
https://www.yomube.co.jp/event/amediafair/
■今月は、西視協会長 野口がお送りしました。