2024年3月号(vol22)

「西東京市視覚障害者協会からのお知らせ(通巻22  2024年3月号 」をお送りします。

●3月はひな祭りに始まります。暦では「桃の節句」とも呼びますが、春のあでやかな花木として、梅に始まり、桃、桜と、日本人の大好きな花の開花が続きます。
今回の原稿に取り組み始めた2月の中旬に、「世田谷区羽根木公園」という梅の名所に出向きました。昨年も同じ時期に訪ね、大いに香りと満開の花をそっと触って満喫したのですが、今年は多くが盛りを終えた感じでした。
今年は、桜についても2週間ほど早くなるとの予報が有りましたが、今回のほっとラインが届くころには、桜もどうなっているだろうかと思いつつ、筆?、いや、パソコンのキーボードをたたいています。
と言うことで、今月の話題ではほっとラインが届くころに最も満開の桜が見られるだろうと予想して、江戸時代から有名な小金井公園の桜の話題から始めます。

今月の話題は、
1) 小金井桜のこと…
2) 視覚障害を持ちながらもプチトマトの水耕栽培農業を展開されている農園を訪ねた話題
3) 西東京市の障害者のイベント「つなぐ・みんなの笑顔2024」と「視覚障害者向け機器展示会(4月27日(土))の予告」の紹介
及び、西東京市視覚障害者協会からのご案内をお送りします。

1) 小金井桜のこと…

まず、小金井公園の場所です。
丁度、西東京市の南西端になり、小平市・小金井氏・武蔵野市の4市の境界周辺に広がる公園です。
東西に役1.5km、南北に400~ 600mほどの横長の広さを持ち、上野公園よりは1.4倍程度に広い東京都立の公園です。
公園内は、江戸東京たてもの園(以下、建物園)という屋外形式の博物館が3分の1ほどを占め、残りは花や木立の自然環境、屋外スポーツ施設、SL広場、わんぱく広場などが点在します。

今回、紹介したいのが、この公園に有る桜の様子。訪ねる交通手段は、広くていたるところに入り口がありますので紹介はご容赦ください。

では桜の話題を始めましょう。
公園の南側は、五日市街道と玉川上水の流れに接しています。
歌川広重作「冨士三十六景」の「武蔵小金井」や多数の浮世絵にもその様子が描かれており、おおよそ 1.5里(訳6km)に渡る桜並木の
その中間点となる小金井橋が公園の南西辺りにあります。

1924(大正13)年、小金井桜は国の名勝に指定されましたが、
戦後、生育環境の悪化などにより玉川上水沿いの桜並木は衰退してしまったものの、その伝統を受け継ぐため、昭和20年代末より隣接する小金井公園内にサクラの栽植が進められました。
園内にはヤマザクラ、サトザクラ、ソメイヨシノ等が約1800 本植えられており、そのうち「桜の園」(2.9ha)には440 本が集まっています。
1990(平成2)年、小金井公園は「日本さくら名所100選」にも選ばれました。

さて、いくら桜の名所と言っても目が良くなければ「景色が見えない!」とおっしゃる方もおられるでしょう。実は私も全盲なので、そのお気持ちは分かります。
西東京市に転入して丸5年になりますが、毎年桜の季節には欠かさず小金井公園を訪ねています。他の季節も、色々と植物、鳥のサンクスチェアリとなっている木立の近く耳を澄まして歩いたりもします。

「眼が見えないのに楽しいのぉ?」と思われるでしょう。
「何故か!」と言えば、春には先ほどの玉川上水から栽植された桜の大木を触りたいからです。

建物園の前に広がる桜の群生では、幹回りは到底一人ではてを回しても届かない大きさ、感触は苔が覆っている様な、あるいはとても長くここに有る古木、主(ぬし)と感じる老木が並んでいます。
いずれも、花が塊になって咲いています。手のひらで包むと、少しばかり重さを感じるふんわりとした花の塊を触ることが出来ます。
長年生き抜いてきた老木を触ることで、眼が見えなくても命の力、尊さを感じることができます。

また公園の東側に、1本だけで堂々と花を咲かせている大島さくらは、全くもって見事です。
同行の家内の肩を借りて咲いている花の周りをぐるりと歩くと、100歩以上。60m以上はあるでしょう。掲げている解説板には「高さ13m、幹周り3.66m、傘状の枝張りは20m」とあり、西東京市の銘木の一つ」とあるとのことです。
この桜は、薄緑の葉が同時に出てきます。一枚そっとにおいを嗅いでみてください。桜餅?(東京では道明寺かな?)の香りがします。
因みに大島桜の花ことばは、「純潔・心の美しさ」ですので、皆さんにもお送りしたい花です。

大島桜は、他の桜より10日ほど後に満開になります。
この頃には、建物園の前に並ぶ大きな老木の桜が「桜吹雪」の様相を見せており、花びらが頬に、口の中に手のひらにと流れていきます。
私には、景色は見えませんが、身体にまとわりつく花びらを感じ取ることができます。ほっとラインをお聴きの皆様も、是非、お試しください。

桜が見ごろの休日には、建物園の前の広場で、「小金井桜祭り」として様々なイベントが開催されます。
また、建物園内の花壇に有る花も春の草花が見ごろですし、3軒の多摩の農家を移設保存した古民家に上がり込んで、庭向きに放たれた内縁に座ってのんびりするのも一興です。
尚、建物園の入園は一般だと有料ですが、障害者手帳の提示で介助者と共に無料となります。
私は概ね、ひと月に1か所程度の都内の見ごろとなった花どころを訪ねています。これからも時折に花だよりを紹介して参りますので、お楽しみに!

2)視覚障害を持ちながらもプチトマトの水耕栽培農業を展開されている農園を訪ねた話題。

私達同様に視覚障害でありながらも、あきる野市で近郊生産農家として活躍されている「エムファーム:代表 宮下 豊彦さん」の農園に訪問した話題を紹介します。
先月のウォーキング日和の日に、東京都盲人福祉協会多摩ブロック主催の徒歩訓練が開催され、西視協から2名が参加しました。
その際に訪問・見学をさせて頂いたのが、この「M・Farm(エムファーム)」さんです。

この農園では、大規模なビニールハウスの中でプチトマトの水耕栽培を行っています。
始めに、代表の宮下さんからこの農園を始めたきっかけについてを話してくださいました。

ご自身が眼の疾病による視野狭窄であることから、様々な不便が有る中で、
「何が出来るか、出来ないか」を自問自答してこの仕事に至ったかについてや、
自宅から農作業に出向く際に白杖を持って電車を使っており、他の通勤者とぶつからない為に時間をずらしても大丈夫な条件を考えたことなどを聞かせて頂きました。

ハウス内の栽培の方法は、割と大きい四角い水槽を4分割に区分けして、それぞれの区画にプチトマトが1本毎に水耕栽培されています。
その水槽がずらりと何列も並び、1列にはプチトマトが100本毎に上からつるされた状態で、それぞれに下から上に向かってたわわにプチトマトが実っている情景です。
この方法だと、一つ一つのトマトの苗ごとに管理が可能で、視野狭窄であっても1本のトマトを眺める範囲で採取や状態の見極めが出来るとの考えに至ったと、宮下さんの説明にありました。

並んだ苗の上の方には小型の湿度調整ホースがついています。日射比例式かん水システムといい、年間を通して季節により管理方法を変化させた調整を行うことに使われるとのことでした。

さて、私たちが訪問・見学した際には、予め葉の部分を落としていてくださり、プチトマト収穫体験と試食が容易にできる準備をして下さっていました。
実際にミニトマトを取って食べてみたら、皮が柔らかくて甘くて美味しかったです。
現地販売をされており、一パック550円だったので我が家に買って帰りました。
また、立川の伊勢丹で月曜日と水曜日に販売、インターネットによる販売もあるとのことです。
但し、3月の初めに植え替えを行うので、次回の販売は5月中旬以降から再開する予定ですとおっしゃっていました。

エムファームさんのホームページには、宮下さんの「生産者の思い」として自らの障害状態を認めつつ、トマト栽培への取り組みに至った動機、障害者への労働環境を提供する場となりたいなどの意気込みが語られています。
私達からも、ほっとラインをお聴きの皆様へ、宮下さんの思い、取り組みをお伝えしたいと思いますので、ホームページを閲覧可能な方は、是非一読下さればと思います。
https://www.m-farm.co.jp/concept
(検索エンジンで「あきる野市 エムファーム(←カタカナ入力)」にても閲覧できます。)
ひとまず、エムファームさんの情報を示します。
所在地 〒190-0164 東京都あきる野市五日市字下田1291
電話番号 090-2762-3578 メールアドレス info@m-farm.co.jp
作業中は電話にでることが難しいとのことです。

さて、都盲協多摩ブロックの徒歩訓練としての報告です。
当日は、同行援護者を含む15組、30人がJR五日市駅に10時前に集まり、徒歩で15分程度のエムファームさんを訪ねる計画でした。
実際は、地元タクシー会社さんのご厚意で移動(約5分)となりました。
プチトマト収穫体験と試食を楽しんだ後は、昼食にと拝島駅まで戻り中華料理店での昼食を兼ねた交流会になりました。
多摩地区の視覚障害者協会の会員さん同士で杯を交わしつつ、親睦を深める機会となりました。

3) 近く開催のイベントを2件、紹介します。是非、訪ねてください。
・ 「つなぐ・みんなの笑顔2024」を昨年に続き開催します。
西東京市内の障害児・障害者の支援事業所、作業所の利用者、家族会、サークルの活動発表会です。
主催は西東京市障がい者福祉をすすめる会と西東京市。 後援に西東京市教育委員会・西東京市社会福祉協議会 とで開催されます
「福祉をすすめる会」には、私達の西視協も市内の障害者支援や問題の解決、学習会などに向けた活動に参加しています。
「みんなの笑顔」では、楽器演奏やコーラス、ダンス演技など10グループ、子供向けプロの演奏などが行われます。また、会場では、作業所等の自主制作商品販売が行われます。
開催日時:令和6年3月17日(日) 13時開場/13時半開演/16時頃終演予定)
開催会場:コール田無 多目的ホール (西武田無駅より徒歩7分)
皆さん、応援宜しく。来てね♪

・視覚障碍者向け機器展示会が、西東京市の隣、練馬区で4月に開催されます。訪ねられる方に置かれては、同行援護の依頼などご準備下さい。
「アメディアフェア」
拡大読書器、歩行支援の誘導ナビシステム、視覚障碍者向け支援用ソフトウェアやスマホアプリ などなど、20社以上の企業の展示、出品物に依っては直販も行われる様です。
開催日時:令和6年4月27日(土)10:30~15:30
開催会場:練馬区立区民・産業プラザCoconeriホール (西武池袋・有楽町線練馬駅 北口 徒歩1分)
ホームページを閲覧可能な方は、以下の URL もしくは「アメディアフェア 練馬」で検索にてご覧ください。
https://www.amedia.co.jp/event/amediafair/index.html

◆(西視協からのご案内をお送りします。)
■ 西視協では、会員に限らず、誰でも参加を歓迎する交流会を定期的に開催することを年度初めの定期総会で決定しました。
今年度の最後は3月10日 障害者総合支援センターフレンドリー・13:30~ になります。
今月の情報ほっとラインが届いたのが、後になりましたら申し訳ありません。

来年度に付きましても、同様に定期的な交流会を重ねたいと思っておりますが、初回は年度総会と併せての開催となると思っております。
西東京市に住まいしている視覚障害者の皆様におかれては、協会へのご加入、あるいは交流会へのご参加だけでも、
市当局への福祉施策への要請や、皆様一人一人が困っていることや、他の方にもお知らせできる情報などの交換の場に成れば幸いです。
今後の予定につきましては、順次、情報ほっとラインにてお伝えします。

■以上、今月の話題を三原・金子・野口からお送りしました。

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