2024年2月号(vol21)
「西東京市視覚障害者協会からのお知らせ(通巻21 2024年2月号 」をお送りします。
●節分の豆まきが各所で行われました。「鬼は外! 福は家(うち)」おなじみの掛け声を我が家でも行いました。
この際、「鬼」は災い事の全てを言うものと思いますが、年初めの震災は衝撃的な出来事でした。
日本に住まいするには地震・火山・台風などの災害を避けるすべは無いのかと思うところです。
これまでにも情報ほっとラインでお伝えしました、防災への備えの必要性を、更に感じます。
さて、今月の話題は、
1)西東京市の視覚障害者手帳保有者についての紹介。
2) 国土交通省から 踏切における視覚障害者に向けた誘導ブロック設置のガイドラインが公表されました。
の話題と、西視協の交流会案内を送りします。
●1) 西東京市の視覚障害者手帳保有者についての紹介。
昨年11月のことになりますが、情報ホットラインお聴きの皆様の中で、障害者手帳1級・2級を受けておられる方に西東京市総務部危機管理課から「避難行動要支援者名簿の外部提供について(通知)」と言う書類が、2度に渡って同じ内容で届いたと思います。
これについて、2通目には封筒に点字の内容説明が貼られていました。
実は、1通目では、一般的な封書郵便でしたので、西視協として「視覚障害者には見落としの可能性が有る」と、視覚障害に配慮した再送の依頼を致しました。
申し入れをした際、危機管理課においても配慮が出来ていなかったことに気が付かれた直後でした。
今回のことはともかく、今後の視覚障害者への配慮をお願いするとともに、
大規模災害が発生した際の視覚障害者が抱える問題を取り上げた昨年3月号の情報ホットラインの印刷版を送りました。
また、選挙関係、予防接種の連絡などでは点字のシールが貼られていますが、市当局からの様々な通知についての視覚障害者への配慮の徹底についてを障害福祉課に申し入れを致しました。
併せて、今回の発送対象者の内、視覚障害者の数についてお尋ねました。
令和4年度末時点での重度視覚障害者の 1級, 2級に当たる人数の、224名とのことでした。また、手帳1~6級までの視覚障害者数については 353人となっています。
この 224人と353人という人数について、西東京市の人口と、全国の視覚障害者数の割合比率から見て少ない気がしましたので、厚生労働省の公開データと比較してみました。
以下に「人口」・「視覚障害者数と対人口比率」・「内、重度障害に当たる1級、2級の人数と人口比率」を全国、及び西東京市、東京都で紹介します。
(西東京市のデータは令和4年度末ですが、全国・東京都のデータは平成28年度となっていますが表示単位を四捨五入しており、比率を見るのにはさほどの違いは無いものと思います。
東京都について都庁の福祉局に尋ねましたが、1級、2級など等級別の人数データは、公開していないとの返事でしたので計算できませんでした。)
・日本の人口 126,930,000人 /視覚障害者 312,000人 0.246% /手帳1級2級の重度視覚障害者 227,000人 0.179%
・西東京市の人口 205,943人 /視覚障害者 353人 0.171% /手帳1級2級の重度視覚障害者 224人 0.109%
・東京都の人口 13,842,000人 /視覚障害者 38,919人 0.281% /手帳1級2級の重度視覚障害者 不明
この内容を説明すると…
人口から見た視覚障害者の比率は、全国では、0.246% に対して西東京市では、0.171%と低い比率です。
仮に、西東京市での視覚障害者数の比率を全国の比率に合わせると、353人よりも多い 507人となります。
また、東京都での比率にあわせると、578人となります。
次に、重度障害に該当する 1級,2級の場合を見てみましょう。
人口から見た比率は、全国では、0.179% に対して西東京市では、0.109%となっており、
仮に、西東京市での重度障害者の人数比率を全国の比率に見立てると、224人よりも多い368人となります。
この様な情報から、視覚障害者手帳を取得が可能な状態にある隠れ視覚障害者が多くおられるのではないかと推測されます。
次に、視覚障害者の中で、重度障害者1級、2級に当たる割合を紹介します。
全国の視覚障害者数 312,000人中、227,000人で、72.756%、
西東京市の場合は 353人中、224人で、63.456%となっています。
この情報からは、西東京市では、重度と言われる視覚障害者の比率が少ないことが分かります。
最後に全ての障害に対する、障害者手帳保有者の中で、視覚障害者手帳の所持者数について紹介します。
全国の障害者手帳所持者数は、全人口の3.377%の4,287,000人で、その内視覚障害者は、312,000人で、 7.278%を占めます。
西東京市の障害者手帳所持者数は市民の2.817%の5,798人で、その内視覚障害者は、353人で、5.977%を占めます。
東京都の障害者手帳所持者数は、都民の3.487%の482,656人で、その内視覚障害者は、38,919人で、8.064%を占めます。
ここでも、西東京市の障害者の中での視覚障害者数が少ない傾向にあります。
以上の情報を整理すると、
他の地域と比べて、西東京市では視覚障害者の割合が少ないことになり、
どうも、西東京市視覚障害者協会の会員数が増やせない理由もここに有るのかと思ったりします。
いや、協会の活動そのものに魅力が無いのかもしれないと反省しなければならないのかも知れませんが、協会の活動として視覚障害に関する情報の発信を進めていくことに勤めたいと思うところです。
今回のこの話題は、ここまでにさせて頂きますが、実は、障害者種別の中でも、視覚障害者においては高齢者の比率が高いという特徴が有ります。
後日、この高齢者との関係についても、記事を上げたいと思っております。
●2)国土交通省から 踏切における視覚障害者に向けた誘導ブロック設置のガイドラインが公表されました。
視覚障害者と鉄道関係の事故では、ホームからの転落事故が取り上げられることが多いですが、一昨年の4月、奈良県大和郡山市の踏切で、視覚障害者の女性が列車と接触して死亡する事故が起きた事故をご存じか、覚えておられるでしょうか?
事故の原因として、視覚障害の女性が、遮断機の降りた踏切内で線路を超えていたにも関わらず、遮断機の外側の踏切手前に立っていると勘違いして踏切内に留まっていたため事故になったたとされています。
この事故後、踏切での視覚障害者に向けた安全対策が急がれることになり、国土交通省(以下 国交省)からは、踏切内では、歩道に通常設けるのとは区別可能な「表面に凹凸のついた誘導表示等」を設置することが「望ましい」と発表されました。
その後、鉄道会社・自治体・地元警察などで様々な試行が進んでおりました。
しかし、設置についての基準化がされていなかったため、多くの異なる事例が出てきたために早急に標準化が求められていました。
このような事情を背景として、国交省では有識者や研究者の提言を求め、先月の1月15日、「踏切内での安全対策に関するガイドライン」を改定したと発表し、踏切内の「誘導表示」を義務化し、構造を明確化しました。
野口は、この有識者のお一人が参加している「視覚障害者の歩行(Orientation & Mobility)」に関する勉強会に出席させて頂いております。
この1年余りの間には、この議論が進んでいたことを聞かせて頂いたり、参加の当事者である出席者からも意見を申し上げる機会がありました。
公表された具体的な設置内容は次の通りです。
・踏切内に歩道部分が有る場合、歩道の中央に、幅320mmの白い着色を行う。そこに、高さ5mmの丸い突起を横12列で敷き詰める。
・その両側に、75mm幅の黄色い線を着色すして黄色線の中央に、高さ5mm・幅27mmの直線状突起を進行方向へ敷く。
としており、この状態を簡単に言うと、横断する方向に黄色い線にはさまれた幅広の白線上に「はしご」を踏切内に描く感じで、左右に直線状の突起、その間の横棒が点状の突起がはしごの足場の様に並んでいるイメージです。
歩道幅が狭いなどの理由で、はしごの様な突起を設置できない場合について、簡易な形状も示しており、
・幅150mm以上の黄色い着色。直線状突起を進行方向へ2本敷く。
としており、黄色の幅広ライン上に線状誘導ブロックの線の数を2本にしたものが敷設されている感じです。
さらに「あると望ましい」規定として、新たに
・踏切内にカラー舗装と車道外側線
・遮断棒の手前にゴムチップ舗装
が追加されており、踏切内での歩行者使用範囲と車道との境界部分、及び、踏切の前後を判りやすくすることも示しています。
「踏切道のバリアフリー化」については、同ガイドラインで「道路管理者と鉄道事業者が連携して取り組むことが重要であり…」と「十分に協議して進めることが必要である」とされています。
都心部などでは鉄道の高架化や地下への敷設が進み、踏切は少なくなっているのですが、
西東京市内には西武鉄道の踏切が多くあります。
今後、この"義務化規定"をうけ、国・都道府県・市町村がそれぞれ、鉄道会社へ働きかけをおこなっていくことになりますので、西東京市当局におかれても働きかけを期待したいところです。
■ 西視協では、会員に限らず、誰でも参加を歓迎する交流会を定期的に開催することを年度初めの定期総会で決定しました。今年度は、来月が最後で3月10日(日)を予定しています。
開催場所:西東京市障害者総合支援センターフレンドリー、午後1時30分からを予定しています。是非ご参集下さい。
スマホの便利なアプリ情報の紹介、視覚障害者支援に関する情報や意見交換などを行いたいと思っています。
市当局への要望や制度についてなどが出てくれば、視覚障害者の声として対応したいと思っています。
会員の参加条件について、広く門戸を広げての参加しやすい協会になることへの会則変更の起草を行う予定です。
■以上、今月の話題を野口からお送りしました。
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