2023年4月号(vol11)

令和5年4月 通巻11 の西東京市視覚障害者協会からのお知らせです。

情報ほっとラインをお聴きの皆様、ご機嫌如何でしょうか?
新学期を迎えた生徒さんや学生さんには、真新しい教科書を開いて、新しい学びに期待が膨らむ季節を迎えたことと思います。
大人にとっても、4月は年度初めと言うことで、年度の目標に向かっての気の引き締まる季節かな?と思ったりしています。
西東京市視覚障害者協会も新年度を迎えます。コロナ対応の様相が変わってきたので、活動の機会を増やしていきたいと思うところです。
そこで、今年の総会を6月初めに開催する準備を行っております。詳細については来月号にてお知らせいたします。会員の方には、会長よりの直接の連絡を行います。
会員でない方に置かれても、この総会を機会に会員となってくだされば、嬉しい所です。

さて、今月の話題は、協会の理事でもあり、最も若い協会会員で、現在大学院学生の青木さんから頂いたお話を紹介します。
また3月から始まった
1)「障害者と介助者向けに発行される障害者用ICカード(Suica, PASMO)について」、
2)「有料道路における障害者割引制度の見直しについて」を紹介します。

さてここからは会員の青木さんより、視覚障害学生がどのようなキャンパスライフを過ごしているのかということや、なぜ西東京市視覚障害者協会に加入したのかということを話題としてお届けいたします。
では青木さんどうそ。

私は、現在23歳で大学院に在学しています。都内の盲学校で中学部と高等部の6年間を過ごし、今通っている大学に2018年度から学部生として入学しました。学部4年間と大学院修士課程の1年目が終わり2年生となりました。
今から数えると、この大学には丸5年間も在学していることになります。
私は強度の弱視のため、日常的には点字を使用しています。そのため大学では、音声読み上げソフトの入ったパソコンと、点字ディスプレイを活用して講義を受けています。
ここで点字ディスプレイとはどのようなコンピューターなのか、概要を紹介したいと思います。点字ディスプレイには様々な機種がありますが、私が大学で使っている機種は、一般的なパソコンに近い機能を持っています。有名な機種としては、ブレイルセンスとブレイルメモがあります。最新の機種ではマイクロソフトのワード、エクセル、パワーポイントやpdfデータを点字で読むことができ、点字でノートを書くこともできます。必要であれば、予めダウンロードした辞書を検索することもできます。

大学では、具体的にどのように講義を受けているのか一例を上げてみたいと思います。私の通う大学は障害のある学生をサポートする支援センターがあり、基本的には支援センターで相談をしながらキャンパスライフを過ごしています。一方の各講義では、講義を担当される先生と障害のある学生本人が連絡をやり取りしながら、健常の学生とともに講義を受けます。基本的には、講義担当の先生から、講義のある前日にメールで資料のデータを送っていただきます。多くの場合講義中は、学生に配布されるレジュメと教室のスクリーンに投影するパワーポイントスライドを使いながら学習を進めるので、前日に届くメールには複数のデータが添付されています。私は講義中に、点字ディスプレイを使ってこれらの資料を読みながら、ノートを書いています。講義後には簡単なコメントシートやレポートを書く課題が出されるので、それらはパソコンを音声読み上げソフトを使って捜査しながら作成して提出しています。
墨字の教科書や参考文献を読むためには工夫が必要ですが、最近はこれらの本をテキストデータ化して音声読み上げできるようにしていただくことができるので、合理的な配慮は整っていると感じています。もちろん苦労することはありますが、学部生の頃はサークル活動で代表を努めたり、学外の機関に行って現場で学ぶことができるサービスラーニングに参加したりと、充実したキャンパスライフを送っています。このようなキャンパスライフができるのは、視覚障害のある学生が大学で学ぶ門戸を開拓されてきた先輩方と、大学の支援センターを中心とするサポート体制があるからだと感謝しています。

しかし、このように充実した学生生活ですが、大学にある支援環境だけでは解決できない問題に直面したことがあります。それは、先ほどご紹介した点字ディスプレイは、自分で準備する必要があるということでした。大学の障害学生支援では、学生個人が自宅でも使うコンピューターを、大学の備品として貸し出すことが難しかったのです。一方で、私がキャンパスライフを送るために必要な多機能の点字ディスプレイは、30万円を超える製品が多く、実費負担するのはためらう金額でした。
皆さんもご存じのとおり、障害があるために必要になる用具や機器については、住んでいる市町村の地域生活支援事業の日常生活用具給付等事業で、購入費を補助していただけることがあります。点字ディスプレイについても、情報・意思疎通支援用具の品目として、現在では西東京市から補助していただくことができます。しかし、私が大学に入学した当時の給付要件では、視覚障害のみで、重複障害者に該当しない私は、点字ディスプレイを実費購入するしかない状況でした。そこで西東京市市役所の窓口で要望書を提出する個人的な要望活動から始め、様々な人との出会いを経てから、大学2年生の時に西東京市視覚障害者協会に参加することになりました。大学で必要な点字ディスプレイの購入方法に迷い始めた高校3年生や大学1年生だった私にとって、自分自身がいわゆる市民団体に参加することになるとは思いもしなかった出来事でした。
大学で、障害者が十分な配慮の下で学び、活動していくためには、適切な窓口に相談をすることが大切だと日々感じています。点字ディスプレイの購入費を西東京市から補助していただくまでの経験でも、様々な方々と相談できるようになってから困りごとが解決する方向に動き始めたことを感じました。「何か困りごとを抱えたときに1人で工夫を凝らすより、適切な相手に相談すること」というのは、生きていくために必要な力なのだろうと考えています。学生のうちに上記のような経験ができたことは、とても貴重な学びになったと思います。
大学院では学ぶ内容が格段に難しくなりましたが、これからも楽しみながら学んでいく姿勢を大切にしたいと思います。
これで、青木からの話題を終了いたします。お聞きくださりありがとうございました。

では、ここからは、次の話題を野口からお送りします。

1)「障害者と介助者向けに発行される障害者用ICカード(Suica, PASMO)について」
先月の3月18日(土)から障害者手帳第1種又は療育手帳1種の保有者を対象とした「JR東日本が発効する交通系ICカード SUICA と、関東の私鉄系で相互利用可能な交通系ICカード PASMO」の障害者専用ICカードが共に提供される様になりました。
これまで、私たち視覚障害者が同行援護を利用させて頂きながら、交通機関を利用する際には、二人分の割引額の切符を購入したり、障害者手帳を提示して二人分の割引運賃を支払ったり清算を行っていました。
新たな障害者用ICカードは、介助者と同一移動を条件とした本人用と介助者用のいずれも障害者名の記名式の2枚を使って利用します。
駅の改札では、それぞれが自動改札機にタッチ、バスの場合は運賃支払い機にタッチすることで支払いが行われ、スムーズな交通機関の利用ができるようになりました。
但し、駅員やバス運転手から手帳の提示を求められることがありますので、必ず手帳を持っておく必要があります。
鉄道利用では原則として同行援護者のいない単独利用は、この障害者用ICカードは使用してはならない規約となっていますので、単独移動をされている場合は、別の交通系ICカードが必要です。
カードは両カード共に障害者本人名の記名式になっており、利用履歴が記録されます。利用履歴のチェックで不正利用が発覚した場合、正規運賃の倍額の罰則料金に対応した差額を求められ、カードの利用も停止されます。くれぐれも、同行援護者と利用する者であることにご注意ください。
なお、鉄道会社が定める遠距離、JRは運賃計算距離 100kmを超える場合、西武鉄道では50KMを超える場合の単独利用は可能と利用規則に書かれていました。
バスでの単独利用については、利用のバス会社にお尋ねください。

利用できる地域は、Suicaは、JR東日本の利用可能駅の範囲、PASMOは、関東地区のサービス範囲で相互利用可能ですが、通常のSuicaの様にJR東海(TOICA)、JR西日本(ICOCA)や、関西の私鉄用(するっと関西 Picapa)などの他社交通系ICカード対象地域とは連携していません。
西東京市内の西武鉄道、関東バス、コミュニティバス「花バス」及び、JRでの利用での割引運賃適用を確認しました。
購入の手続きはJRのみどりの窓口、市内の西武鉄道では田無駅で可能です。その後、1年ごとの更新手続きが必要です。
詳しい利用の方法、規約については、駅の窓口・バス会社にお尋ねください。
注意:関東圏以外のSuica対応範囲は夏ごろに向けて順次拡張中です。

2)「有料道路における障害者割引制度の見直しについて」
一定の条件の下、障害者が利用する有料道路の通行料金について、半額となる制度があります。
視覚障害の私たちが自動車を運転することは無いと思いますが、身体障害者手帳第1種保持者または愛の手帳第1種所持者のために、介護者が自動車を運転する場合には割引が適用されていました。
これまでは、介護者としての家族の車両か、本人名義に限定された1台のみの登録車両が対象でした。レンタカーや車検時の代車などを利用する場合は割引されませんでした。

先月の3月27日(月)から新たな登録手続きを行うことで、対象の車両の制限が無くなりました。
また、介護者についても運転者が限定されません。
予め、有料道路での割引対象者で有ることを登録しておけば、レンタカーや台車、タクシー利用の際も、割引が可能となります。
但し、ETCカードと紐づけられた車両とは異なり、利用する都度、料金を支払う料金所において一旦停止し、係員が障害者手帳の記載事項等と障害者本人の同乗(本人運転又は介護者による運転)の確認等が求められますので、対応可能な料金所を通行する必要が有ります。
また、タクシー会社によっては、対応できない場合があるため、予め確認をしておく必要が有ります。
登録の手続きは、障害福祉課の窓口で行う方法と、オンライン申請も可能です。
オンライン申請には、本人確認のためマイナンバーカードおよびマイナポータルへの登録が必要となります。
手続きが完了すると、障害者手帳に貼る為のシールが提供されます。
この制度に対応して、不適切なご利用があった場合に厳正に対処するため、割引適用の停止措置強化など所要の見直しが行なわれると案内されていました。
オンライン申請受付サイトのURLは次のとおりです。
https://www.expressway-discount.jp

最後に、先月の情報ほっとラインでお伝えしようとしていた内容にて、朗読をお願いするのを漏らしていた記事がありました。お詫びしたいと思います。
テーマは、「西武鉄道の一部の駅で、駅員の巡回化、切符発券機廃止」と言う内容です。
先月の3月1日(水)から、「池袋線 武蔵横手・東吾野。西武秩父線 西吾野・正丸・芦ヶ久保」において、「駅係員が定期的に巡回する体制へと変更します。」の案内がなされていました。
記事としては、駅の状況を詳細に紹介していたのですが、実質、「駅の無人化」では無いかと思うところです。

「駅の無人化」については、最近のことですが、都内での新聞記事として「JR八高線の駅員無人化においてワンマン運転の運転手が車椅子利用者に対応」、「京王の多摩動物園駅で3月中旬から無人化実証実験」や、2年ほど前に「西武鉄道、市街地の駅も無人化を検討 」と言うものもありました。
これらの記事については、その後の状況などを調べて、後日の情報ほっとラインで詳しく紹介相と思っています。

今月は、青木さんからの投稿 並びに野口からの情報をお伝えしました。